ご無沙汰しております!

JAZZ SUMMIT TOKYO広報・杉浦です。

 

前回の更新から間が空いてしまい申し訳ないです。

しかし、ご安心を。

JAZZ SUMMIT TOKYOメンバーはしっかり活動しています!

メンバーの近況報告はまたの機会に。

かく言う私も、取材をしてきております。

今回は、JAZZ SUMMIT TOKYO SUMMER FESTIVAL 2015で演出を担当していただいた、細井美裕さん・西本桃子さんのインタビュー記事を掲載します。

 

早速どうぞ!

 

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・お二人の今までについて

 

額田(JAZZ SUMMIT TOKYO):まず、簡単で構いませんのでお二人の今までの活動を教えていただけますか?

 

西本桃子さん(以下敬称略):私はもともと舞台に携わっていました。大学に入って、演劇で舞台照明をやり始めて、そのうちもっと可能性を広げていきたいなと思うようになって。そんな中、Rhizomatiksのみなさんに出会って刺激をもらい、今は修行中という感じですね。

 

額田:じゃあ大学に入ってからいろいろやり始めて、って感じなんですね。

 

西本:そうですね。

 

額田:じゃあ細井さんは・・・?

 

細井美裕さん(以下敬称略):私は元々コーラスをやっていて、歌っている中で(コーラスの)見せ方 が一様だな、っていうのをすごく思っていて。いつか自分でいろいろなコーラスの見せ方、聴かせ方ができたらいいな思っていた時に、ある作品を見たんです。それは全然コーラスとは関係ないんですけど、(今までとは)違う音や気配の見せ方をする、みたいなもので。音とか舞台の見せ方を考えるっていう意味で圧倒されて、それを作った人たちに会いに行ったら、そのまま作品のサウンド部分を担当していたQosmoに入れてもらえることになりました。

 

杉浦:どこで出会ったんですか?

 

細井:作品のことを調べていたら、作った人たちが国立新美術館でワークショップをやることを知って、それに参加したんですね。で、それが終わった後に「こういうの作りたいんですけど!」って話をしたら、次の日に「アシスタントやる?」ってなって・・・。

 

杉浦:ええ!すごいですね!

 

細井:ほんと突撃で、よくやったなって言われます。でも、あの時話しかけてなかったら、今何やってるのかわからない・・・。(笑)

 

 

 

・今回の演出について

 

額田:今回の演出はどのように作っていったんですか?

 

西本:私が普段やっていることは、工学的な要素や科学技術をどう作品に昇華させていくか、っていうことなんですが、今回はジャズの演出をするということで、自分の中に漠然とあるジャズのキラキラした素敵なイメージをそのまま作りたいな、っていうのが一番最初に頭に浮かびました。元々、舞台をやっていたこともあって、そういう(演出の)イメージをまず作って、それをSuperDeluxeという会場に馴染ませるには、というように考えてスタートしました。

 

額田:キラキラしたイメージというのは?

 

西本:なんか・・・赤いベルベットが垂れてて、で、ライトがこう・・・温もりのある・・・(笑)

 

額田:それはディズニーシーのビックバンドビートみたいな・・・?

 

西本:あ!そうですね、確かに。(笑)恥ずかしながら、ジャズを生で聴いたことがあまりなくて。

 

額田:現状、確かに気軽にジャズライブに行けるとは言い難いですよね。

 

西本:漠然と自分の中にある、ジャズってこうなんじゃないの、っていう、ディナーショウの感じというか、そういう素敵な雰囲気を出せればいいな、っていうのを一番に考えていました。

 

細井:そこは話さずとも一致していた部分ではありました。すごい高度な技術を持ち込んでほしい、みたいな話でもなかったので。それを扱える責任もないっていうのもあるんですけど・・・。あくまでもメインは演奏者である、っていう前提を踏まえて、演出をどうするか考えていく、っていう感じですかね・・・

 

西本:自分の近くに、技術に関しては圧倒的に勝てない存在がいたから・・・

 

細井:そうそう。(笑)

 

西本:そこに単純に技術で勝負しても勝てないな、っていうのがあって。だから自分たちで考えられるベースで、自分たちの感性が一番表出しているもの発信でないと、(演出として)持ちこたえられないな、という。

 

細井:あ、一番最初に二人で話した時は、Qosmoのオフィスで、何時間くらいかわかんないですけどYouTubeでジャズの動画を見まくるっていうのをやってました。(笑)

 

杉浦:ええ!(笑)

 

細井:編成がもう決まってたので、出演者の手癖を見たくて、ももちゃん(=西本さん)と・・・(笑)

 

西本:あと、ちょいちょいVictoria's Secretのランウェイや、スーパーボールのハーフタイムショウとかを見たりして・・・(笑)

 

額田:(笑)

 

西本:「この照明やばい!すごくない!?」とか言いつつ、「この要素を入れて・・」と話し合いながら、初めにイメージを作っていくようにしてました。

 

細井:動画見まくるタイム良かったよね!

 

 

 

額田:では次に。コンセプトを考えた後に、具体的にどういった技術を使って今回の演出を行ったのかを教えていただけますか?

 

西本:いつもは、インプットとアウトプットを何にするか、ということを発想の起点にして考えていくんですね。今回はインプットに生でしか取れない要素が多すぎるというか、初めから分かっているものがないということで、お手軽に取れるというか、確実に取れるのがドラムの音だろうと。ドラムにセンサーをつければ、ベースはできる。では次にアウトプットを何にしようって考えた時に、私は照明をやっていたので、じゃあそのまんま照明につなげちゃおう、と。それを基礎にしたものがあれば、ひとつとりあえず成り立つものができるんじゃないか・・・っていうような感じで作っていきましたね。難しいことはあんまり考えてないっていう・・・。(笑)

 

額田:じゃあ音を光に変換するようなシステムを・・・

 

細井:そうですね。(ドラムに付ける)センサー部分はスポンジみたいなもので。ドラムの面に付けてしまうと鳴る音が変わっちゃうから、石若(駿)さんにダメって言われるかな、って思ってたんですけど、「オッケーオッケー」みたいな感じだったので良かったです。(笑)

 

額田:石若さんは、前向きに協力してくれますよね!(笑)

 

細井:フロアとスネアとキックに(センサーを)つけさせてもらって、その振動の信号をMacに持って行き、そこからDMX(=照明や舞台効果を制御する為の通信プロトコル)を送っていました。そのDMXから最後(=照明)まで、ももちゃんがやる・・という流れです。(アウトプットを)照明でやったことによって、ひとつのコンテンツを作りつつ、空間として演出もできたので、すごく良かったです。

 

西本:テクニカル感があんまり出ないところが、ね。照明っていうひとつのくくりに収めてしまってるので、裏事情があまり見えないところが割と素敵だったなと思います。

 

細井:本番終わった後、「(照明とドラムが)同期していることに最後まで気づかなかった!」と言われて。でもそれぐらいでいいのかなって思いました。(笑)

 

額田:確かに。「テクノロジーを使ってるんだぞ!」ってあからさまな感じよりも・・・

 

細井:そうそう。気付く人は気付くし気付かない人は気付かない、っていうのがなんか良かった。

 

西本:お客さんが観ていて、違和感はないけど、リズムに合ってる照明を作るのって実は結構難しいんですよ。お客さんが「え、なんか、これ・・・。」みたいな違和感を持たせない、っていうのは難しいんですよね。すごく考えていることろです。

 

額田:はい。照明じゃないんですけど、僕も似たようなことを音楽でやったことがあるのでわかります。やっぱり、「今めっちゃキメてるな。」ってわかると、カッコ悪いですからね。自然な流れでやるのが良いと僕も思います。

 

西本:「おかしかったよね。」って一回も思わせなければ、照明としてのベースは成り立ってる気がします。良かったです。

 

額田:では次に。これからJAZZ SUMMIT TOKYOとしては、もっと何かを結びつけて、ポップっていう言い方は違うんですけど、ジャズをハイカルチャーの中心地として、色々なものを巻き込めるようなものにしていきたいというのがありまして。お二人から見て、ジャズとこういうものを一緒にやったら面白いんじゃないかとか、私たちだったらこういうこともできる、というような意見を頂ければと思うんですが・・・。

 

細井:やっていて思ったのは、本番まで何が起こるかわからないジャズらしさは大切にしたいのですが、私達だけだと、何を軸にするのがベストなのか曖昧な場合、どうしても普段やっていることをベースに考えてしまうので・・・。お互いが「やってください。」と一方的に思っているのではなくて、双方向に言い合う場があったらもっと面白くなるんじゃないかなって思います。

 

杉浦:もうちょっと演出側とミュージシャン側がお互いに意見を言い合って、考えた方がいいんじゃないかっていう・・・

 

西本:あ、でもその時間は欲しかった!

 

細井:今回は(共演の寺久保エレナさんが)海外にいらっしゃったのと、他の出演者さんも日本中を飛び回っているのも既に知っていたので、話し合いはほぼできないことを承知のうえで進められました。(JAZZ SUMMIT TOKYOと共に)ムーブメントを起こそうとしてるわけだから、(ミュージシャン側にも)なにか希望が絶対にあるわけじゃないですか。なので次回以降はその希望を話し合う時間があるだけで、また違うアウトプットができるかもしれないな、と思います。修行不足もあり、悩んでしまう時があったので・・・。そういう時はYouTubeを観てたんですけど・・・。(笑)もっとグイグイ聞くべきでした。

 

 

 

額田:そうですね。もう少しお互いが話せる時間を設けられたら良かったかもしれません。その点は申し訳なかったなと反省しています。続いて、JAZZ SUMMIT TOKYO SUMMER FESTIVAL 2015全体を通して、感想というか、今まで思っていたジャズライブと比べてどうだったかを、良し悪しを含めて教えていただけますか。

 

西本:私は・・・あの熱狂ぶりにちょっとびっくりしました!

 

細井:あんなに人が出るとは思わなかった・・・!(笑)

 

西本:あ、こんななんだ!って、結構衝撃でした。

 

細井:ももちゃんが面白かったのは、開演前、舞台のすぐ横で準備してたんですけど、「こんなに人って前に来るんですね!」って(笑)

 

西本:「こんな音ってデカイんですね!」って。(笑)結構衝撃が大きかったですね・・・!私の中の勝手なイメージは、なんかちょっと小綺麗なホールに、スーツ着た大人たちがいて、すごいニコニコしながら踊ってるみたいな・・・そういう、微笑ましいというか・・・若者から見ると、ちょっとシュールじゃない?みたいな感じにさえ思える光景だと思ってたんですけど・・・

 

細井:普通のライブみたいな感じでしたもんね。

 

額田:でも今回はかなり特殊ですよ。ほぼないと思います。

 

西本:でもああいう環境でジャズを聴くこと自体が、すごい新鮮で、ほんとにそれが楽しかった。こういう環境でジャズを聴くのもいいなって。なんかジャズってこうでしょ、みたいなところに入っていって、そこに同化して、小綺麗な服着て聴きに行く、みたいなのだとちょっと聴き辛いですけど、行ってみて、聴いて、「あ、これジャズなんだ!」っていう出会い方は、すごい良いと思いました。

 

額田:そういう点では、元々、今回のライブをどうするかって考えた時に、オールドジャズのイメージをできるだけ覆しつつも、伝統的なジャズも大事にしているというスタンスを伝えたいな、というのがあったんです。スタンディングっていうのは(ジャズライブでは)あんまりないし、客層がすごい若くて・・・来場者の半分ぐらいは若い人だったので、嬉しかったです。

 

杉浦:ほんとにそれはよかったよね。で、西本さんみたいに思ってくれるっていうのが今回の一番の狙いだったわけだから、すごいよかったよね。

 

西本:その点は、すごい成功しているなと思いました。あれだけ若い人を集められるっていうのは・・・!

 

額田:ありがとうございます。制作としては嬉しい・・・(笑)

 

細井:ももちゃんと演出についてどうするかを考えている時に、「ジャズって決まりみたいなのってあるんですかね?」って話になった時があって。例えば、まずテーマっていうのがあって、それに合わせてソロを回すんですよ、とか、ドラムのブレイクがあったり、ソロの後は拍手があったりするんですよ、とか言ったんですね。で、その時にももちゃんに「なんで拍手するんですか?」って聞かれて。よくわかんないんですけど、拍手するんですよって答えて。(笑)・・・少なくともあの場所は、行く前にそういう決まりみたいなものを気にしなくて良さそうな空気があって。最初のとっかかりとして日本中でそんな感じのことができたら、実体験としてのジャズがもっと広まっていくのかもなって思いました。拍手の必要性は、その後にひっついてくるというか。私は友人に連れられて初めて生のジャズを聴く前の日に、ドレスコードやライブの掟みたいなものをネットで調べてから行きました。(笑)

 

 

・最後に

 

額田:最後なんですけど、クラウドファンディングでご支援して頂いた方、来場して頂いた方に一言お願いします。

 

細井:若者達だけではできないことをやらせて頂いて、本当にありがとうございます。「これ、続けていくよね?」というコメントをありがたいことに頂いていて、良いプレッシャーに感じています・・・。「何やってんだ、あいつらは。」という目で見守ってもらえたらな、と思います。

 

西本:自分たちで試行錯誤できる場を与えてくださって、本当に感謝しています。(JAZZ SUMMIT TOKYO SUMMER FESTIVALの)初回として、次につながるイベントだったなと思います。本当にありがとうございました。
 


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私のいる空間が、
ミュージシャンの音で、
ぐにゃりと、すぱっと、どかんと、ぎゅっと、
変化する。


空間が変化する瞬間、それを味わえるのがライブではないでしょうか。


空間の変幻自在さ。

その一端を担うのが演出で。
まさに今回のお二人は、ふわりときらりと、空間を変えていたと思います。
本当にありがとうございました!



今回は以上です!
またしばらくしたら更新するのでお楽しみに!それでは!


JAZZ SUMMIT TOKYO 広報 杉浦


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